P-42
P-42はSu-27の世界記録挑戦用の「レコードフランカー」です。飛行特性を最高まで高めるため、エンジンを記録挑戦用に約1000Kgの推力増のR-32に換装し、見かけ上では後方ポッド、翼端ランチャー垂直尾翼の先端がありません。兵装関連やレーダー・アヴィオニクスが最低限にまではずされており、推力重量比は限りなく2に近いものとなりました。さらには点検口や地上滑走時の上面エアインテークも塞がれて塗装は無しのうえツルツルに磨かれ抗力と重量を極限にまで下げることを実現しています。このP-42は300mの滑走で離陸できます。
レコードフランカーの超えるべき目標となるのはMiG-25フォックスバットの打ち出した上昇記録のほとんど全てを奪い去ってしまったF-15"ストリーク"イーグル(ちなみに30000mの記録は後にMiG-25が奪い返しました)。ソ連はF-15に匹敵、凌駕することのできる戦闘機の存在を誇示することです。
1988年〜1988年の間、P-42はF-15の持つ記録を含めて27の世界記録を樹立しました。下記はP-42が樹立した世界記録の一部です。
上昇力 重量・ペイロード無制限絶対記録
到達高度 | P-42の記録 | F-15(参考) | パイロット |
3000メートル | 25秒 | 26秒 | ビクトール・プガチョフ |
6000メートル | 37秒 | 39秒 | ビクトール・プガチョフ |
9000メートル | 44秒 | 59秒 | ニコライ・サドブニコフ |
12000メートル | 55秒 | 77秒 | ニコライ・サドブニコフ |
上昇力 1000キログラムペイロード記録
到達高度 | P-42の記録 | パイロット | 樹立年月日 |
3000メートル | 28秒 | オレグ・ツォイ | 88/05/17 |
6000メートル | 38秒 | オレグ・ツォイ | 88/04/19 |
9000メートル | 48秒 | オレグ・ツォイ | 88/05/17 |
12000メートル | 59秒 | オレグ・ツォイ | 88/05/17 |