Su-27/Su-33/Su-30

Su-27/Su-33
T-10Sを原型に量産型として採用されたSu-27は数あるフランカーシリーズの原点とも言えるベーシックタイプです。

(Su-27)
「Su-27フランカーの最大の特徴は?」と聞かれれば真っ先に思い浮かべるのは他の戦闘機では真似のできない優雅な機動性です。1988年パリ航空ショーで西側に公開されて以降、Su-27の低速での機動性が西側戦闘機のそれを大きく凌駕していることは世界中の専門家やファンの誰しもが否定できない事実です。

しかし機動性に勝っていても、現代の航空戦は機動性とは無関係のBVR戦闘ができなければ全く意味がありません。Su-27は強力なレーダーと最大12発の中〜短距離空対空ミサイル(アラモ・アッダー・アーチャー)を搭載し、十分なBVR能力を保持しています。20世紀に就役した戦闘機の中でスペック上においてこのSu-27に勝る戦闘機は存在しません(スペックはあまり意味の無い数字ですが…)。
格闘戦においても広い翼と高い臨界迎角による機動性、大出力エンジンによるエネルギー回復能力、IRSTとHMDによるパイロット目視照準と、サイドワインダーを筆頭とする他国のIRMを先駆けるR-73アーチャーの組み合わせは、まぎれもなくSu-27を世界最高のドッグファイターとしての地位を不動の物としています。

ただ、Su-27が高機動であるのは低速時だけであり、通常ドッグファイトを行う500〜1000Km/hの速度域ではF-15と大した差は無く、むしろドッグファイトの命運を分けるのはパイロットの技量(パイロット項目参照)であることから、通常言われているような他を超越した機動性を発揮できませんし、無理に速度を落とせばそれこそ空戦エネルギーの不足でミサイルや機関砲の的になってしまうでしょう。「最強のドッグファイター」との呼び声が高くともやはりドッグファイトでは軽量であるF-16・タイフーン・ラファール・グリペンに大きく分があると言えるかもしれません。

(Su-33)
Su-33は海軍向けの艦載機バージョンで、カナードが追加されましたが基本的な性能はSu-27と全く変わりません。


コックピットは見てのとおり、50年前の戦闘機と大差は無いものとなっています。コックピットの配置で面白いのはスティックのすぐ近くに射出レバーがあるということ。MiG-29も同様にスティックのすぐ近くに射出レバーが配置されていますが、他国の戦闘機でこのような配置をしているものはありません。

数機単位で購入する発展途上国にとってSu-27は従来までのMiG-21やMiG-23を代替する航空機として既に十数カ国が採用、もしくは検討がなされています。



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