〜Kh-41〜

スケールは1m
ロシア名 :Х-41 (Kh-41Moskit)
NATOコード :SS-N-22 Sunburn(日焼けの意)

SS-N-22は艦対艦バージョンの名。

対艦ミサイルであるKh-41は世界にも例を見ない抜群の性能を持っています。射程距離は300Km。イージス艦の射程の外から発射可能でその速度はマッハ3とされています。

その速度と射程は4基のロケットと1基のラムジェットエンジンにより生み出されます。まず、ロケットが始動し超音速に達します。ラムジェットは超音速で無いと機能しません。しかしロケットより長い時間燃焼しつづけるため長大な射程を誇ることができます。

同じ対艦ミサイルだからといってAGM-84ハープーンと比較できるようなシロモノでは有りません。射程距離で3倍、速度で4倍、全長で2倍、重量で7倍と、亜音速の対艦ミサイルが主流の現在、超音速の対艦ミサイルも少なくはありませんがこれらの数字は他を圧倒しています。
ただし300kmのマッハ3と言う数字はあくまでも高空を飛翔させた場合です。この手の対艦ミサイルは通常低空を這うように飛翔させて被発見を極力避けます。空気密度の濃い低空を飛翔するとなると射程距離は半減し、マッハ3という速度はとても出せません。とは言うものの、それはどの対艦ミサイルも同じ事です。高速+長射程能力において世界一の空対艦ミサイルであることには違いはないのです。
Kh-41の巨大な図体は大容量の燃料を搭載できるだけでなく、弾頭も強力で、炸薬を325Kg搭載しています。ハープーンの208Kg、エグゾゼの165Kgと比較するといかに強力かが分かると思います。さらにこの比較対象のミサイルよりも重く高速であるため衝突エネルギーもけた違いなものになります。衝突エネルギーは重さに比例して増え、速度の2乗に比例して増大します。そのため比較的大型の巡洋艦を一撃で轟沈させる威力を持っています。

このミサイルの最大の目的は艦隊防空の要である航空母艦やイージス艦をフィッシュベッド(魚礁)にしてやることにあります。最強の防空網を破るなど、決して簡単にはいきませんが対艦ミサイルVS艦隊防空の戦いは常に前者が優勢に立っています。イージス艦は実戦経験が無く、その能力を発揮したためしはありません。

悪く言うとただのオーバースペックな対艦ミサイルのようにも思えますが、それゆえに迎撃も困難であるに違い有りません。万が一、アメリカの虎の子であるスーパーキャリアを撃沈しえた場合、航空戦の新たな転換期を迎えることは間違い無いでしょう。(99%ありえませんが…)重量4500Kg全長約10mという数字は現在戦闘機の搭載する兵装の中では最も重く、そして長いミサイルでもあります。見るからにゴッツイミサイルですね。


名称 Kh-41
用途 大型艦船攻撃
重量 4500kg
全長 9.75メートル
直径 76センチメートル
弾頭 325kg貫徹・破片威力弾頭
速度 マッハ3
エンジン 固定ロケット+ラムジェット
誘導方式 中間:慣性航法
終端:アクティブレーダー
巡航高度 最低5〜20メートル
最大射程 300キロメートル





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