Su-34/Su-32
名称:Cy-34(Cy-27IB)/Cy-32 [Platypus]
Su-34は数あるフランカーシリーズの中でも異色の存在です。いや、フランカーシリーズのみではなく、戦闘機として異色の存在といえるでしょう。まず、やはり目に付くのが肥大化した並列複座のコックピットとIRSTが無いこと、そしてタイヤがダンデム2重配列になっていること。本来単座戦闘機であったSu-27を無理やり横に広げたような形状はプラティパス(カモノハシ)と呼ばれているので有名です。主翼や尾翼などの機体後部はSu-27となんら変わりがない構造となっています。
そして驚くべきはSu-34はキャノピーを開閉して期待側面からまたぐように搭乗するのではなく、前脚の部分からはしごを伸ばして下面の入り口から中へ入ることです。かの大型戦闘機F-111ですらこのような搭乗の仕方はしません。これは極めて異例なことです。
今後このような構造をもった戦闘爆撃機が出るとは到底思えないのでSu-34が最初で最後になるのでないでしょうか。
内部は決して広いとは言えませんが大きな空間になっているため、従来の戦闘機のようにずっと座りっぱなしなどのようなことはなく、クルーのストレス軽減に一躍買っています。コックピットはSu-27そのまんまの状態から右側に座席を追加したような形をしており、ほとんどのMFDは右側によっていて左側の飛行に必要な計器のほとんどはお世辞にも先進とは言えない丸型計器でしめられています。コックピットの後ろにはキッチンとトイレがあり、クルーは酸素マスクの必要無い与圧の効いた機内で電子レンジで加熱した暖かいボルシチを食べることができると言われています。史上最も快適な戦闘機Su-34の場合、もはやコックピットなどと言うのではなくキャビン(客室)と呼ぶべきでしょうか。さらにそのキャビンは17mmのチタン装甲で保護されています。
戦闘爆撃機という種別に分類するのもためらってしまいそうなSU-34ですが、これでも戦闘機であることには違い有りません。R-77アッダーやR-27アラモ、R-73アーチャーも搭載可能で、R-73は後ろ向き発射することもできます。しかしながら、Su-34を空対空に好んで駆り出そうとする司令官など存在しません。そのような任務は他のSu-27に任せておけば十分です。それに自重のみで実に5tもの重量増であるため万が一格闘戦闘に入られた場合はカモノハシではなくただのカモに成り下がってしまいます。
やはりSu-34の本質は戦略爆撃にあると言えます。Su-17/24フェンサーやMiG-27フロッガーといった戦闘爆撃機の後継であって、ロシアに存在する空対地兵器のほぼ全てを思いつく限りのバリエーションで大量に搭載できることが出来る唯一の戦闘機です。兵装搭載ステーションは12個所最大8tの兵装を搭載できます。