〜R-37(AA-13)〜


スケールは1m
ロシア名 :Х-37 (R-37)
NATOコード :AA-13 Arrow(矢の意)?


MiG-31専用であったR-33(AA-9エイモス)ミサイルの後継として開発されたR-37はMiG-31に限らず、レーダーを強化されたSu-35にも搭載可能なロシアの21世紀標準長距離ミサイルとしてその地位を確立しつつあります。

射程は300Kmと長大で速度はマッハ4。R-33及びAIM-54フェニックスを上回る現行では世界で最も射程の長い空対空ミサイルとなります。そのサイズもけた違いであり、重量はAIM-54フェニックスよりも150Kgも重いものとなっています。しかも機動性能はR-77アッダーに匹敵、もしくはそれに準ずる程で、戦闘機に対して攻撃する能力も有るとされています。ただしこの手の長射程ミサイルの主用目標は大型航空機であることに違いは無く、戦闘機に対して発射されたAIM-54Cフェニックスはことごとく避けられてしまい、現在まで総撃墜数はゼロです。しかし戦闘機の使命は「航空機の撃墜」ではなく制空権の奪取/防衛であることから、命中させなくても引き返させる事ができれば目標を達成したと言えます。いくら小さな戦闘機に命中させにくい長距離ミサイルであっても回避行動を取らない奴は存在しません。

中間誘導は慣性+データリンク。終端誘導はアクティブレーダー自律誘導型。発射後は母機がロックオンしている目標へと飛翔し約20kmの距離でアクティブシーカーが覚醒して自律誘導に移行するR-77やR-27AEと同じ方式です。
しかしこれらと比較して数倍にもなる射程距離であるためロックオンを中断し中間アップデートを省いた場合、慣性航法による予想着弾点への飛翔しても、アクティブシーカーが覚醒した時点で目標をロックオンできない可能性がありますが、これ自体は長距離ミサイル全てに言えることなのでR-37の弱点とは言えません。

現在、中距離ミサイルの発展とは逆に長距離ミサイルは世界的に衰退の方向に向かっており、まもなくF-14が退役することを考えると事実上ロシアのみが保持することとなります。AIM-54フェニックスは高価すぎて「脅し」兵器であったのと同様にR-37も秘伝の宝刀として使われるのではないでしょうか。またKs-172のように対AWACS戦闘にも使用されるともされています。

名称 R-37
NATOコード AA-13 Arrow
用途 長距離空対空戦闘
重量 600キログラム
全長 420センチメートル
直径 38センチメートル
操縦翼幅 70センチメートル
弾頭 指向性破片威力弾頭50キログラム
エンジン 固形燃料ロケット
誘導方式 中間:慣性・データリンク
終端:アクティブレーダーホーミング
最大射程距離 最大射程300Km







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