イーグルを空から追い落とせ!
Su-30MKはあらゆる状況下でF-15Cを圧倒する−
ボーイングの航空戦シミュレーターを使用してSu-30vsF-15による空中戦シミュレーションが行われ、Su-30がある特定の戦術を行うとF-15を相手に確実に撃墜可能であるという結果がアメリカ空軍により導き出されました。
なお、シミュレーションの想定は以下の通りです。
Su-30MK×1
R-77 アッダー中射程ミサイル
R-73 アーチャー短射程ミサイル
F-15C×1
AIM-120A アムラーム中射程ミサイル
AIM-9L サイドワインダー短射程ミサイル
目視外戦闘距離相対、支援機無し。
最初にSu-30がR-77アッダーのAIM-120を上回る長射程を活かしF-15をアウトレンジします。
F-15がR-77の回避に集中している間にSu-30はF-15の針路に対して90度オフセットした'ゼロドップラー'針路に向けるため、その機動性を活かしてスライスバック機動を実施します。(スライスバックは高度を下げつつ旋回する空中戦闘機動の名称)ミサイルは長射程で発射した場合格段に命中率が落ちるので、いくら最新のR-77といえどもF-15の撃墜には至らないでしょう。
ミサイルを回避したF-15は反撃に転ずべくSu-30をレーダー追尾せんと試みますが、F-15の優秀なAN/APG-63レーダーはSu-30をロストし、反応は完全に消えてしまいます。
AN/APG-63パルスドップラーレーダーはルックダウン能力を得るために、目標の接近対地速度(自機との相対速度ではない)が一定以上である場合のみ航空目標であると判断するため、逆に接近対地速度が一定以下の場合、AN/APG-63のソフトウェアはグラウンドクラッター(地面によるレーダー反射)であると判断し、その信号は削除されます。
ですので、この場合Su-30はF-15に対して前を横切るように飛行するため、Su-30の接近対地速度は地面と同一になり、F-15のAN/APG-63レーダーはSu-30を航空機として認識しなくなります。
F-15が目標ロストし混乱している隙に付け込み、相対するよう再度急旋回し、2度目の攻撃を行うため準備を迅速に行います。旋回開始から次弾発射までに許される時間は最大でも14秒(AN/APG-63の最大走査範囲アジマス+-60,エレベーション6バー走査を完了する時間…あくまでも最大です。)。
Su-30のスロットバックレーダーは自らの存在を知らしめてしまう電波放出を極限に抑えるためスタンバイ状態にし、被発見を防ぎつつ、赤外線捜索・追尾システムIRST及びヘルメット内臓照準機により照準を行います。Su-30はあらかじめ高度を下げておいたことにより、IRSTはノイズの少ない空に浮かぶF-15を容易に探知しR-73アーチャーの発射諸元を提供。発射諸元が整ったならばSu-30はF-15の反撃を防ぐため即座にR-73を発射し空域から急速離脱離脱します。
IRSTは自ら信号を出さないパッシブセンサーであり、R-73もR-77と違い自ら信号を出さないパッシブ赤外線誘導のミサイルであるため、F-15の電子戦対抗手段は一切の警告を出しません。唯一、操縦士の目の良さが機体と命を救うセンサーとなります。
この先F-15が悲惨な目に合うのは書く間でも無いでしょう。
…以上、あくまでも想定上のシミュレーションであり実戦の結果ではありません。実戦であらばSu-30対F-15の一騎打ちなど100%起こり得ません。そしてF-15側には常に電子戦機、及び空中早期警戒機による支援が期待できるため、Su-30はシミュレーション通りにF-15を撃墜することは不可能であり、逆に落とされてしまう可能性も大です。
とはいえ、このシミュレーションの結果はこれはアメリカ空軍の正式な発表であり、1対1の空中戦ではSu-30MKはF-15を凌駕するということを米空軍が認めています(それをダシにAIM-9XやF-22の予算追加を狙っているとも言われますが…)。
ミグ950機分の戦闘能力に匹敵すると言われ、30年間空で無敵を誇ってきたF-15。今後、状況によってはSu-27シリーズより撃墜されうる事もありうるかもしれません。